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日本一多く蟻を殺した男

日本一多く蟻を殺した男がいる。彼には、いつから蟻を殺し始めたのか、という記憶がない。幼児の頃からそれを始めていたようだ。
彼が子供の頃のやり口はごく単純で、巣の周辺で群れている蟻を片っ端から足で踏みつぶすというものだった。彼が少し成長すると、蟻を一匹殺さないように摘まんで、それを蟻地獄に放り込んで、蟻が逃げようとするも砂の壁に阻まれ、最後には捕獲され、砂の中に消えて行くのをじっと見る、ということもしていた。
さらに、同様に蟻を一匹殺さないように摘まんで、今度はそれを蜘蛛の巣に投げ込んで、蜘蛛の巣に引っ掛かった蟻が蜘蛛に襲われ、そして蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされた後、体液を吸われながら殺されてゆくのをじっと見る、ということもしていた。この時は、蟻がやられた後に、蜘蛛への「お前よりもっと強いのがいるんだ」という気持ちを込めて、木の棒で蜘蛛を叩き落し、そして巣を完全に破壊するようにしていた。
また、日が当たっている場所で、虫眼鏡で太陽光を一匹の蟻に集中させ、やがて煙を出しながら焼け死んでゆくのを見る、ということもしていた。
彼によるこのような殺戮は、彼が中学を卒業する頃まで続いた。その後、彼は蟻への殺戮をピタリと止めた。いずれにしろ、彼が殺した蟻の数は、間違いなく日本一多い。
彼が大人になると、不幸が次々と彼を襲った。不幸に次々襲われる理由は、始め彼には分からなかった。しかし、年月が経つと、不幸に次々襲われる理由は蟻を殺戮したからだ、と彼は考えるようになった。そう考えるようになってからも、彼には次々と不幸が襲ってきた。いつの頃からだろう、これからも一生不幸に次々襲われることになる、おれがやった蟻への殺戮はそのくらい酷いレベルだった、と彼は諦めるようになった。
今彼は、歩いている時に自分の足が着地しようとする場所に蟻を発見すると、反射的にその場所への足の着地を回避するようになっている。
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