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予知夢

A男は、今40歳。学生時代に特別な女性と出会った。何回かデートをしたが、彼女とはプラトニックな関係だった。
なぜA男が彼女を特別な女性と思ったかというと、あるデートの後、家に帰る途中に、自分が死ぬ時に自分の人生を走馬灯のように振り返ることになるのだが、その走馬灯のもっとも輝かしい部分を間違いなく彼女が飾る、ということがA男の頭に神からのお告げのように浮かんだからだ。
A男が学校を出て就職すると、彼女との関係は自然に消滅してしまった。しかし、それからも今日に至るまで、A男が彼女のことを思わない日はなかった。たまたま用事があって日比谷線に乗った時にデートの思い出である六本木駅に電車が近づくと、そのデートのことがA男の頭にフラッシュバックし、そして電車が減速してホームに入ると、反射的にA男の目がホームを覗き込み、彼女の姿を探すのだった。電車がホームに停車している間、ずっとA男は彼女の姿を追い求めるのだった。もう20年近くも前のことなのに。電車が動き出し、六本木駅のホームが見えなくなると、A男は自分の体に冷たい汗を感じるのだった。
A男は就職してからしばらくすると、別な女性と結婚した。彼女のことを好きという感覚はあまりなかったが、彼女となら何とか一緒にやってゆけるだろう、という思が結婚を決意させた。しかし、5年で彼女とは離婚した。
離婚したあたりから、A男は数ヶ月おきぐらいに同じ夢を繰り返し見るようになった。その夢の中では、側面が台形の丘があり、その側面の左端に丘の上と下を結ぶ階段がある。丘の上には例の特別な女性の家がある設定になっていて、A男は階段を上って彼女に会いに行く。しかしどうしても彼女に会うことができず、あきらめてA男は階段を下りる。ところが、階段を下りる自分の気持ちは、ひどく落胆しているはずなのに、それほどでもなく、半分どこか嬉しいような感覚もある不思議なものなのだ。これが繰り返し見る夢の内容である。
離婚してから8年後、A男はさらに別な女性と付き合い始めた。時々、A男はその女性の家に遊びに行く。その女性の家は、側面が台形の丘の上にある。そして、丘の側面の左端に丘の上と下を結ぶ階段がある。A男はその階段を上り彼女の家に行き、彼女の家からの帰りにその階段を下りる。
今A男は、繰り返し見る夢の意味をはっきりと理解している。
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